この度の東日本大震災により、犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、被災された皆様、並びにご家族・ご友人の
方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧と復興をお祈り申し上げます。
NPO法人ヒーローズは、震災の復旧・復興を少しでも支援する為に、震災支援プロジェクトを立ち上げ、
義援金付Tシャツを販売し、東京、大阪等でチャリティーイベントを行い、1000人を越える方々にご来場
頂き、集まった義援金は120万円を超えました。義援金は釜石シーウエーブス、日本ラグビーフットボール協会、
宮城県高校体育連盟ラグビー専門部、宮古高校ラグビー部等に託して来ました。
震災支援イベントはひとまず終了しましたが、震災支援プロジェクトは継続し、震災支援Tシャツを販売し、
時機を見ながら被災した方々の心のケアも兼ねて、寺子屋等を開催したいと思っています。
今後共ヒーローズの活動に対し、ご理解ご支援の程よろしくお願い申し上げます。
和の哲学 今こそ
「一人はみんなのために、みんなは一人のために」。岩手県大船渡市の避難所の壁にはそう書かれていました。今こそ「One For All, All For One」というラグビー精神が求められています。
16年前、私も神戸で被災しました。ライフラインが途絶え、あたりまえのように思っていた生活のありがたさを感じました。ありがとうの反対は、あたりまえです。あたりまえだと思ったら、有り難さが見えません。豊かさや便利さに飼いならされて、私たちは感動や感謝の気持ち、ありがたさを忘れてしまったのではないでしょうか。
震災から10年目、愛したラグビーを通じて何かをしようと「ラグビー寺子屋」の活動を始め、ヒーローズを設立しました。以来、強い精神力と豊かな感性を持った青少年の育成に努めてきました。3年前に始めた小学校6年生のラグビー大会「ヒーローズカップ」には今年、80を超えるラグビースクールが出場しました。また、ワールドカップ(W杯)などの観戦ツアーを通して、世界のラガーマンとも交流してきました。
東日本大震災では、支援プロジェクトを立ち上げ、義援金付きTシャツを販売し、東京や大阪でチャリティーイベントを行いました。今月6、7日には京阪中之島線なにわ橋駅で、ヒーローズの設立5周年を兼ねたイベント「震災復興からワールドカップへ」を開催しました。薫田さん、マコーミックさん、箕内さん、平尾さん(ビデオ出演)らW杯日本代表の歴代キャプテンのほか、石山さん、藤田さん、大八木さん、元木さん、伊藤さん、大畑さんら日本代表メンバーが来て、熱い思いを語ってくれました。一連のイベントで集まった義援金は110万円を超え、「スクラム釜石」(釜石シーウェイブスの支援組織)や日本ラグビー協会などに託す予定です。
「One For All, All For One」を翻訳すると「和」になります。和することは同ずることではありません。自分が紛れもない主体で生きてこそ本当の和を作ることができるのです。ラグビーの精神、「和」の哲学を発信し続けることにより、多くの人生のヒーローが育ち、豊かな共生社会を作っていくことがヒーローズの夢であり、目的です。
毎日新聞寄稿文章